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滋賀県琵琶湖を洗剤汚染から守る「せっけん運動」 [地域トリビア]

日本国内で最大の面積を誇る『琵琶湖』。
小学生の時に誰もがその名前を覚える有名な湖です。

そんな琵琶湖ですが、1977年からの長い間、水質汚染の問題を抱え、周辺住民や関係者たちは今もそれと戦っています。

その象徴とされるのが『びわ湖を守る粉石けん使用推進県民運動』(略して『せっけん運動』)、そして、その運動を受けて1979年に滋賀県で制定された『琵琶湖富栄養化防止条例』、いわゆる『琵琶湖条例』です。

滋賀県で巻き起こったこの運動と制定された条例の結果、そして、環境破壊をなくそうという洗剤メーカーの努力もあり、日本で販売される台所用洗剤や、洗濯機で使う洗濯洗剤などの家庭用洗剤から、富栄養化の原因とされた『リン』や『窒素』が除かれ始めました。

そういえば昔は、洗濯機回りに置いてある洗剤に『無リン』と大きく書かれているものがよくあったな、と思い出します。
どうしてそんなに強調して書かれているのかな? と、子供心に疑問だったのですが、自然環境を悪くする物質であると問題視されていたからなんですね。
たまに、洗濯機から出る排水を目にすることがありますが、灰色に汚れ、洗剤で泡立ち……。
洗濯機などの家電が多くの家庭に普及しながらも、下水道や排水処理施設がしっかりと機能していなかった高度経済成長期以前には、これが川や海や湖に多く流れ込んでいたのか……と思うと、さすがにちょっと怖くなります。

もちろん、琵琶湖の汚染と富栄養化の原因は家庭排水だけではなく、その多くを工業廃水が占めていましたが、それでも、家庭での対策をしなくていい、というわけではないですよね。

その結果、この40年で、琵琶湖の水質は徐々に改善されてきているようです。
1985年に琵琶湖に流入していた窒素の量は1日18トンでしたが、2015年には14トンに。
リンは1.2トンだったのが、0.6トンと半減しています。
努力の甲斐あってか、2010年から2017年までの8年間、赤潮の発生は観測されていないのだとか。

ですが、同じく富栄養化が原因で発生するアオコや水道水のカビ臭が、2016年度に発生。
水質の改善は進んでいるものの、まだまだ安心とはいえないようです。

現在、洗濯機で使う洗剤はそうでもないのですが、台所用洗剤やシャンプー・ボディーソープなどには、リンや窒素を含むものが少しずつ増えてきているそう。
出来れば、使用している家庭用洗剤の成分をチェックして、なるべく自然に優しいものを使っていきたいですよね。

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